さわや書店 おすすめ本

  • no.26
    2016/7/20UP

    フェザン店・長江おすすめ!

    天空への回廊 笹本稜平/光文社文庫

    今世界を救えるのは、エベレストにいる主人公ただ一人。
    ハリウッド映画のようなそんなスペクタクルでスリリングな物語が展開されていく作品だ。
    真木郷司は世界でも有数のクライマーで、エベレストへの登攀に挑んでいる。しかしその最中、大規模な雪崩に巻き込まれてしまう。なんとか生還した郷司だったが、親友は行方不明のまま。すぐにエベレストは入山禁止となり、アメリカ軍がやってきたことで不穏な様相を呈していく。説明によれば、エベレストに落ちたのは隕石ではなく衛星で、郷司は、回収作戦を行うので協力してはもらえないか、と打診されるが…。
    『エベレストの山頂付近に衛星が墜落した』という設定から、まさかこんなとんでもない物語が展開されるとは思ってもみなかった。二転三転どころの展開じゃない。色んな人間がそれぞれの思惑を隠したまま行動し、それが徐々に明かされていくことで、驚きの展開を生み出すのだ。