さわや書店 おすすめ本
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no.5132022/7/11UP
本店・総務部Aおすすめ!
家庭用安心坑夫 小砂川チト/講談社
盛岡市出身の著者。群像新人文学賞受賞、芥川賞候補作を読んでみる。
ユルい感じで始まりつつも、読み終えると非常に現実的で重いテーマだったのがわかる。メインストーリーの合間に昔の鉱山のストーリーが時々入る。このサブストーリーがとても美しく魅力的なのだが、これは主人公か、もしくはその母親が考えた物語なのだろうと想像する。そう思うとまた、本書全体がさらに物悲しく切ない。
全然関係のない映画『ライフ・オブ・パイ』を思い出した。この映画のラスト、それまでのストーリーとは別のパターンの話が提示され、どっちの話がいいと思う?と聞かれる。
大昔の宗教的な話なども含め、その物語は何を意味しているものなのか。そもそも物語とは何なのか。本書を読み終えて、そんな事を想った。