さわや書店 おすすめ本
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no.4882021/12/10UP
本店・総務部Aおすすめ!
すごい物理学講義 カルロ・ロヴェッリ/河出文庫
小さい頃から勉強嫌いだった私の頭では、本書の内容の半分も理解できていないが、それでも最後まで読ませる文章だった。今見えている世界は、実は自分の理解している世界とはかなり違うのかもしれない。たまにぼんやりとそんな事を思いつつ、ゆっくりと読み進める。
理数系と文系は全く種類が異なり、相容れないものだと思っていた。世界の在り方、宇宙の在り様を考える物理学とは、時に哲学的であり、時に詩や文学的ですらある。科学と文学の違いは表現方法が数学か文字かの違いだけだ。どちらも現実を直視した上で描かなければ、単なる空想に終わってしまう。
「想像力は知識よりも重要である」というアインシュタインの言葉は、科学的な事実を積み重ねた上での、最後のひらめきのような事を言っているのだろう。ここに、科学・哲学・文学の真価がある。「真・善・美」。これがAIではない人間の価値なのかもしれない。