さわや書店 おすすめ本
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no.4852021/11/9UP
本店・総務部Aおすすめ!
あなたに安全な人 木村紅美/河出書房新社
後悔をふと思い出し、いたたまれなさに叫び出したくなるような、そんな夜を過ごしてきたからこそ、見えるものもあるだろう。
コロナ禍は感染の恐ろしさと、それ以上に人間の恐ろしさをまざまざと見せつけられたような気がする。自分の意見だけが絶対的に正しくて、そうしないのは悪なのだと言わんばかりの攻撃性。良かれと思って言っているだけに、余計にきつい。論の正誤もさることながら、そういう人は今までひとつの誤りも後悔もない人生を歩んできたのだろうか。もしそうだとするならそんな人を自分は信用できない。失敗や後悔があるからこそ、物事の多面性を理解することができるのだと思う。影のない光はない。
内省を含め、心の奥を手探りするような読書だった。