さわや書店 おすすめ本
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no.4762021/9/10UP
本店・総務部Aおすすめ!
人類最初の殺人 上田未来/双葉社
エフエムラジオの語り口で、洒落た作りの連作短編。一話ごとに軽く読めて皮肉の効いた結末が面白い。人類最初の殺人、詐欺、盗聴、誘拐、密室殺人と物騒なタイトルが続いているものの重くはなく、すべてどこか夢のあるような、大人のむかしばなし風の趣がありニヤリとさせられる。
映画で言えば、『ロープ 戦場の生命線』『THE GUILTY ギルティ』あるいは『CUBE』などの、地味ながら、シニカルで印象的な結末の物語を思い出す。
先日、澤井信一郎監督が亡くなられた。『Wの悲劇』や『早春物語』なども皮肉なラストシーンが印象的な余韻を残し、青春の終わりを示す成長物語だった。薬師丸ひろ子、原田知世は永遠のアイドルだ。なんか思い出してしまったので申し訳ないけれども、本書には全く関係のない話で終えることにする。