さわや書店 おすすめ本
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no.4622021/6/12UP
本店・総務部Aおすすめ!
われはロボット 決定版 アイザック・アシモフ/ハヤカワ文庫
1950年出版当時は相当ぶっ飛んだ内容だっただろう。ほんの20年前でもまだ荒唐無稽な話だったかもしれない。だが今改めて読むと、かなりのリアリティをもって胸に迫る。あらゆる古典の名作と呼ばれるものは、やはり本質的なものを問いかけているため、投げられた光が時代によって古くならずにむしろ光が強くなる。
有名な「ロボット工学の三原則」を冒頭に記した本書は、一編一編が様々な角度からの哲学的な思考実験とも言える短編集だ。サイエンスフィクションというジャンルの小説や映画、それだけではなく現在実用化されつつあるAIまでも含め、遡れば全ては本書を土台にしていると言っても決して過言ではないだろう。
人工知能を突き詰めれば、人間性とは何かを考える事とイコールになる。科学的な合理性と哲学的な問い。人は大いなる矛盾や葛藤を抱え込んだ自己と、改めて向き合わされる事になる。古くて新しいテーマの源流がここにある。