さわや書店 おすすめ本

  • no.441
    2020/12/7UP

    本店・総務部Aおすすめ!

    緋色の稜線 あさのあつこ/角川文庫

    心にわだかまり続けている消せない染みを、そっと浄化してくれるような小説だ。どこか懐かしく、遠い記憶を思わせる情景が、切なさを際立たせる。
    全く罪のない人間なんていない。相手から許されない罪を犯してしまった場合、それは一生背負って受け入れるしかないだろう。ただ、相手をどうしても許せなかったり自分自身を許せない場合、それを一生抱えて生きていくのは重すぎる。自分のために、自分の中で決着をつけなければならない。その背中を少しだけ押してくれる。