さわや書店 おすすめ本
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no.102016/7/7UP
フェザン店・長江おすすめ!
助けてと言えない
孤立する三十代 NHKクローズアップ現代取材班/文藝春秋2009年。衝撃的な出来事が起こった。39歳の男性が、自らの窮状を周囲の誰にも明かさないまま、自宅で餓死したのだ。親類に宛てた手紙に、「助けて」とだけ書かれていたという。
取材に当たったNHK北九州放送局の取材班は、当初、何故その男性が周囲に助けを求めなかったのか理解できずにいた。彼には、親友と呼べる存在がいた。また、数カ月前まできちんと働いていたにもかかわらず、職場の誰も彼の状況を知らないままだったのだ。
彼らは、「何故『助けて』と言えなかったのか」を突き詰めるべく取材を進め、その中で、現代の30代が「自己責任」という言葉にがんじがらめにされていることを知るに至る。苦しい状況は、すべて自分の責任だ。だから彼らは、誰にも助けを求められない…。
クローズアップ現代での放送後、圧倒的な反響を記録したというこのテーマ。あなたにとっても、無関係な問題ではきっとない。