さわや書店 おすすめ本
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no.2762018/9/24UP
本店・総務部Aおすすめ!
海について、あるいは巨大サメを追った一年 モルテン・ストロークスネス著・岩崎晋也訳/化学同人
「白鯨」「老人と海」あるいは「グラン・ブルー」「ライフ・オブ・パイ」など、海はこれまでも様々な小説や映画の舞台となってきた。
本書は巨大サメを釣ろうとするノンフィクションを軸に、話はあらゆる方向へと乱反射する。地球について、生命について、宇宙について、人間について、海について。それらの思索は謎の巨大サメの話とどこかリンクして、不思議に味わい深い読み物となっている。環境問題に触れる部分も文章は非常に乾いていて、俯瞰した事実を淡々と語る様子がいい。野生の動物番組などを見るともなしに見ていると、いつの間にか釘付けになっている事が多くなった。若い時には何とも思わなかった野生動物の生き方に感じ入るものがある。
それにしても、海。その生命の源は、身勝手な人間の行動に何を思う。いや、おそらく何とも思ってはいないだろう。だが、気が付いた時にはもう、私たちはただ自然の法則に従うまでである。