さわや書店 おすすめ本
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no.2722018/9/11UP
本店・総務部Aおすすめ!
信長の原理 垣根涼介/KADOKAWA
あるインタビューで著者は「『光秀の定理』が受け入れられたら、『信長の原理』『家康の条理』の三段構えを考えています」と語っている。歴史上の有名な人物の物語は基本的に大きなストーリーとしては初めからネタバレしているので、その事実をどう解釈するかだけになるが著者の作品は前作同様、今回も歴史に興味がある人にもない人にも十分に面白く読ませる内容になっている。個人的には松永弾正久秀の描写にシビれた。ともあれ、三段構えの最後をどのように締めくくるのかが、今から非常に楽しみである。
本書については序文に記されている下記の文が最も的確に言い表していると思う。
「私たちがいま住む世界についての理解はもともと不完全であり、完全な社会などは達成不可能なのだ。ならば、私たちは次善のもので良しとせねばならない。それは不完全な社会であるが、それでも限りなく改善していくことはできる社会である」――ジョージ・ソロス