さわや書店 おすすめ本
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no.2662018/8/22UP
フェザン店・長江おすすめ!
機龍警察 月村了衛/ハヤカワ文庫JA
本書を読んで僕は、「エヴァンゲリオン×踊る大捜査線」というイメージをした。エヴァンゲリオンのような二足歩行型軍用有人兵器「機甲兵装」が登場する警察小説なのだ。
本書で描かれていることは、どの程度実現可能性があるだろうか?テロが頻発し、通常の警察組織では対処出来ない事案が増えたために、「特捜部」(通称は「機龍警察」)と呼ばれる新たな組織が作られることになった。元外務省の官僚がトップに据えられたその組織は、全国から優秀な刑事を集めながら、同時に傭兵や元テロリストなど、警察外の人間もリクルートしている。
「機甲兵装」のようなロボットが登場する、という特徴的な部分に目を奪われがちだが、本書は、警察自身が警察という組織の中に作り出した異分子である「特捜部」が、既存の警察組織の抵抗を受けながらいかに巨悪に挑むか、という点にこそ物語の核がある。新人のデビュー作とは思えないほど、重厚で圧倒的な世界観をスピーディに読ませる傑作だ。