さわや書店 おすすめ本
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no.2612018/8/7UP
本店・総務部Aおすすめ!
すべて真夜中の恋人たち 川上未映子/講談社文庫
主人公と男性の会話がぎこちなく、あまり意味もない言葉なのに独特のリズムを持っていて、なぜか妙に心地いい。逆にそれ以外の登場人物の会話はなめらかで、それぞれの立場でもっともな意見や考えを言っているのに、どこか居心地の悪さを感じさせる。そのあたりの人間の陰影というか、対照性が本書を際立たせているひとつだと思う。
普段あまり読まない種類の小説に、不思議と引き込まれた。何という事のないストーリーでも文章で読ませる作品は、才能としか言いようがない。