さわや書店 おすすめ本

  • no.107
    2016/12/27UP

    フェザン店・長江おすすめ!

    「科学的思考」の
    レッスン
    学校で教えてくれないサイエンス 戸田山和久/NHK出版

    本書は、今を生きる僕たちにまさに必要な知識を身につけさせてくれる必読の一冊だ。
    本書は最終的に、「科学者ではない僕たちがなぜ科学リテラシーを持たなくてはいけないのか」という問いに答えようとする作品だ。科学リテラシーというのは、科学的知識そのものではなく、「科学がどういう風にすすんでいくのか」「科学がどういうふうに政策のなかに組み込まれているのか」「科学はどんな社会的状況が生じたら病んでいくのか」などについて、つまり科学というジャンルそのものに対する知識、ということになる。
    第Ⅰ部では、そもそも「科学」というのはどういう学問分野であるのか、ということをまずは丁寧に語っていく。これは理系の学生も必読だろう。「科学」というものを曖昧に捉えたままでは、研究者になろうとする者も、僕らのような一般市民も、正しく前に進むことは出来ない。難しそう、というだけで敬遠するのは、正しい態度ではないのだ。